VACHERON CONSTANTIN | ヴァシュロン・コンスタンタン 2020新作 東京の景色を俯瞰で表現したユニークピース。ヴァシュロン・コンスタンタン「メティエ・ダール・ヴィル・ルミエール - 東京」
2020年の新作としてヴァシュロン・コンスタンタンより「メティエ・ダール・ヴィル・ルミエール - 東京」がユニークピースとして登場します。このモデルはメティエ・ダールの新しいシリーズとして、独創的な手法で浮かび上がる都市の夜景を巡る旅へと誘います。最初にジュネーブ、パリ、ニューヨーク、そして北京の幻想的な夜景に捧げられた4つのモデルからスタートし、このたび夜間飛行が大都市の東京へと続きます。
下地にダークエナメルを施した文字盤の上にバラエティ豊かなパウダーを使って、鳥瞰図さながらにミニチュアの絵画として描き出されているのは、不規則に広がる都市の景観です。「メティエ・ダール・ヴィル・ルミエール」のモデルで時を刻む機械式ムーブメントは、ヴァシュロン・コンスタンタンが高級時計の伝統技術に則って開発と製造を行い、優美な装飾を施した自社ムーブメントです。
伝統的なグラン・フー・シャンルべ・エナメルと宝飾素材のパウダーを手で施す技法を結び付けたこのようなメティエ・ダールは、高級時計製造にいまだかつて用いられたことがなく、各モデルが放つリアルな美しさは、まったく新しい芸術的で独創的な世界を切り開いています。大胆で前例のないアプローチと伝統の技によって、伝統工芸は新鮮な息吹が吹き込まれ、絶えず豊かに育まれているのです。
ヴァシュロン・コンスタンタンがここで実現を夢見たものは、二つの特別なアートの光り輝く出会いです。一つは、ヴァシュロン・コンスタンタンの職人たちによって3世紀近くも受け継がれてきたグラン・フー・シャンルべ・エナメルの技法です。そしてもう一つは、ゲストとして迎えた日本人のアーティスト、今井陽子氏が習熟する、宝飾素材のパウダーを手で施す技法です。このゴールドやパール、プラチナ、ダイヤモンドの微細なパウダーを一つ一つ細心の注意を払って抽出し、格別な輝きをエナメルに与えるユニークな技法が時計の文字盤に使われています。この繊細かつ豪華なアートは、その何万もの微粉の輝きによって、エナメル文字盤をまったく新しい仕方で引き立てています。一つ一つが非常に厳密に配置された光の点から、堂々と広がる都会の景観が形づくられています。その輝きの効果で道路や川、有名な建造物なども非常にリアルに描出されています。
天職として続くメティエ・ダール
「メティエ・ダール・ヴィル・ルミエール」シリーズは、ヴァシュロン・コンスタンタンで何世紀も昔から受け継がれるメティエ・ダール(芸術的工芸)の伝統を守り続けています。1755年にメゾンの創設者ジャン=マルク・ヴァシュロンが作った最初の時計として知られるものには、すでに繊細なアラベスク模様の装飾が取り入れられていました。それ以来、およそ3世紀のも長きに渡って、宝石の石留め、エナメル、ギヨシェ彫り、彫金などの職人たちによって今では非常に貴重になりつつある専門的な技芸がジュネーブの工房で育まれ、継承されてきました。昔も今も、時が経ても変わらず、次々と創作される製品に合わせて、職人たちの器用な技が時計芸術の傑作に精彩を与えているのです。これらの装飾技術はお互いに反響し合い、時計の文字盤に表現する芸術と創造性の技術を組み合わせ、さらに照明、日本の漆、宝石彫刻術、宝石七宝の効果など、あまり良く知られていない驚くべき芸術や精神を採用することが必要となります。この伝統を踏まえ、「メティエ・ダール・ヴィル・ルミエール」シリーズにも完全に継承され、ヴァシュロン・コンスタンタンを現代的で革新的な新しいメティエ・ダールの表現の開拓へと向かわせました。
空から俯瞰した都市
ヴァシュロン・コンスタンタンは、とりわけ芸術的に強い影響力を放つ点で傑出した4つの大都市を、夜景のパノラマによって描写することにしました。それぞれの夜景に宝飾素材の微粒子を施すには非常に精妙な手技が求められることはもちろん想像できますが、このように時計のフェイスを装飾する作業には、さらに制約も加わります。それは、都市の印象から受ける感情を写実的な表現に移し変えるために、各都市を見下ろす視点を理想的な高さに定めることです。今井陽子氏が作り上げたミニアチュールの絵画では、活気あふれる場所や交通密度といったものまでがさまざまな光の輝きで表現され、それぞれの都市が忠実な"光の地図"として再現されているのです。各都市の地図に投入された驚くべき精緻な作業には、数週間に渡るリサーチやいくつかの下準部が必要でした。
グラン・フー・エナメル
それぞれの文字盤を作るにあたり、ヴァシュロン・コンスタンタンの熟練したエナメリング職人はまず、通りや庭園の形、川の流れなどを強調するためにシャンルべ・エナメルの使用を検討しました。次に、決められた輪郭に沿って手作業でゴールド製の文字盤をくり抜き、透明の色エナメルを何度も塗り重ねてコーティングを適応しました。文字盤はコーティングのたびに摂氏850度の高温で焼かれます。これらの出来を左右する重要で繊細な段階では、見事に直観や時間をかけて得た厳しい修練によって、発色する金属酸化物を配合したガラス質の粉末は熱で溶けて変容し、冷めるとガラス化することができます。またその際に文字盤が割れたり、ひびが入ったりするリスクもあります。さらに熟練エナメル職人は、この「メティエ・ダール・ヴィル・ルミエール」シリーズに際立った夜間の雰囲気を表現するために、半透明と暗い色調を微妙に組み合わせることにも挑みました。
降り注ぐ光の雨
ヴァシュロン・コンスタンタンはエナメル職人と協同するために、日本人のアーティストである今井陽子氏を迎えました。日本の偉大な師匠のもとで修業を積んだ後、書道から着想を得て、キャンバスに宝飾素材のパウダーで絵を描くという自身による功妙な技術を開発しました。今回このような手法を時計のエナメル文字盤に用い、魅力的な明暗の効果を生み出しました。その目映い都市の光を忠実に文字盤に移し変えるのに、彼女の巧みな手は完璧な熟達の技や、微動だにしない集中力、特別に敏感な感覚に導かれていたのです。
宝飾素材の粉を使用する技術は、書道から基本的な原理を取り入れています。それはバランスと純粋さの探求。細い筆を使い、用心深く守られた秘蔵のテクニックを駆使して粉粒子をそれぞれ配置しています。そして、完成した画が放つ魔法のような輝きは、断片の一つ一つが正しい位置に寸分たがわず置かれ、不揃いや余分なものは一切入り込む余地がない、厳格を極めるアプローチから生まれます。
作品が放つ輝きと写実性の両方を際立たせるために、見る角度によって異なる輝きや、光り方の種類の違いにも注意を払いながら、パウダーの内容をサイズや輝きに応じて選びます。まず始めに、微小なゴールドの粒で光り輝く背景を作ります。続いて、ダイヤモンドとプラチナのパウダーを次々にかけて明暗の効果を作り出し、そこにパールのスパンコールがアクセントを添えます。これらの素材の微妙なきらめきによって、光が進む線や光が広がる空間にメリハリがつき、文字盤に生き生きとした表情や温かみが生まれます。エナメルの下地の上では、盛り上がったゴールドの稜線の間で何万個ものスパンコールが光り輝いています。宝飾素材のパウダーの微粒子は、すべての色合いも輝きも異なり、それらが相互作用して、グラン・フー・エナメルによる暗い色調の背景に効果を発揮しています。このように構成された輝きの放射は、文字盤の中央部が最も強く、周縁部に向かってソフトになってゆきます。
手作業で3カ月以上を要し、芸術工芸との調和から生まれた各ダイヤルはまさに一つ一つがユニークピースです。
ジュネーブ、パリ、ニューヨーク、北京、そして東京の光
飛行する旅は、ジュネーブから始まります。この都市は、高度な技や宝飾を生かした時計の故郷で、ミニアチュール・エナメルの美術工芸が発展したことでも知られています。ヴァシュロン・コンスタンタンはこのジュネーブの中心地のサン・ジェルヴェ地区で誕生し、キャビノティエが工房を構えていました。
次に訪れるのは、「光の都市」として群を抜くパリです。パリは、芸術家や哲学者、作家たちによって好まれ、この都市のスタイルに宿る真似のできないエレガンスによって世界中に知れ渡っています。空から見渡すパリは、上からの俯瞰図がゴールドに彫金され、照明効果の演出で有名なエトワール広場、シャンゼリゼ通り、セーヌ川、エッフェル塔といったパリを代表するランドマークを実物さながらにたどることができます。
さらに旅は続き、3都市目はけっして眠らない街、夢や渦巻く活気の象徴、あらゆることが可能な都市、ニューヨークです。この都市の再現では、今井陽子氏の視点が取りうる最も高い位置からの眺めが展開し、宝飾素材の粉を使用する芸術的な技が極限まで発揮されています。無数の宝飾素材のドットがグラン・フー・エナメルの上を横切り、セントラルパークを含むマンハッタン島や、ハドソン川、ブルックリンの光輝く姿が生き生きと描かれています。
その後、北京の輝く魔法が地平線に現れます。空から俯瞰した帝都のかすかな輝きは、誇り高い歴史による多様性に満ちた壮観を暗示しています。広大な紫禁城を囲むモニュメントや目印となる象徴的な建造物、特に活気に満ちた街路は、光がより強調されており、その一方で紫禁城そのものは明るく照らされず描かれていることで神秘的に表現されています。また、午門、天安門、天安門広場は、エナメル装飾と宝飾素材の粉によって綿密な地図製作上で一際目立っています。
最後に、東京の光が放たれ、都市の暗い色合いと東京湾の青い色合いを表現した半透明のグラン・フー・エナメルをベースにした文字盤に貴重な輝きを引き出します。銀座の高級ショッピングエリア、象徴的な東京タワー、政治の中枢エリアである霞ヶ関と永田町、さらにレインボーブリッジ、そして六本木のホットスポットが金色の小さな点で強調されており、この活気に満ちた夜の製図が日本の首都を特徴づけるように調和の取れたエネルギーを表現しています。「水(湾)と陸」ならびに「技術と歴史」という対照的なものが交じり合い、錬金術師による融合が完璧なバランスを誇ります。
高級時計の卓越性
「メティエ・ダール・ヴィル・ルミエール」シリーズの各モデルは、ジュネーブ・シールを取得しています。中立的な立場の独立公的機関が発行するこのジュネーブ・シールは、まさに精密さや信頼性を約束する認証です。ヴァシュロン・コンスタンタン自社開発・製造の自動巻きムーブメント、キャリバー2460 SCは、時、分、秒を表示します。シースルーケースバックからは、ヴァシュロン・コンスタンタンのブランドロゴのマルタ十字から想を得て繊細な装飾が施された自動巻き22金ゴールド製ローターが鑑賞できます。それぞれの部品は、外部から見える、見えないにかかわらず、例えば面取りやサーキュラーグレイン装飾、ポリッシュ仕上げといった、時計製造における最高の技術規定に則って加工仕上げが施されています。このムーブメントは、貴金属のホワイトゴールド・ケースによって守られています。
「メティエ・ダール・ヴィル・ルミエール」は、時計としても、また芸術的な作品という点でも、ヴァシュロン・コンスタンタンの伝統を最も純粋に受け継ぐシリーズです。本物のミニチュア絵画のように見事に表現された文字盤は、魅力あふれる都市の独創的な眺望だけでなく、絶えず新たなものを着想し、たゆみなく考案し続ける時計製造の芸術そのものも示されているのです。
メティエ・ダール・ヴィル・ルミエール - 東京
MÉTIERS D'ART VILLES LUMIÈRES - TOKYO
Ref.:86222/000G-B106
ケース径:40.0mm
ケース厚:8.9mm
ケース素材:18Kホワイトゴールド
ストラップ:ブラック ミシシッピ・アリゲーター、アリゲーターレザーによるライナー、ラージ・スクエア・スケール、18Kホワイトゴールド製クラスプ、ポリッシュ仕上げの半マルタ十字
防水性:3気圧(約30m)
ムーブメント:自動巻き、Cal.2460 SC(ヴァシュロン・コンスタンタン自社開発)、約40時間パワーリザーブ、毎時28,800振動(4Hz)、27石、ジュネーブ・シール取得
仕様:時・分表示、センターセコンド、グラン・フー・シャンルべ・エナメル文字盤(18Kゴールド製)、手作業で施した宝石(ダイヤモンド、パール)および貴金属(ゴールド、プラチナ)のパウダー、サファイアクリスタルのシースルーケースバック
限定:世界限定1本
価格:時価
※以下のコレクションもございます。
Ref.:86222/000G-B101 -ジュネーブ
Ref.:86222/000G-B104 -パリ
Ref.:86222/000G-B105 -ニューヨーク
Ref.:86222/000G-B107 -北京
※2020年6月時点での情報です。掲載当時の情報のため、変更されている可能性がございます。ご了承ください。
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