VACHERON CONSTANTIN | ヴァシュロン・コンスタンタン 2020新作 鳥を描いた2段に分かれたダイヤルが特徴的な、ヴァシュロン・コンスタンタン「“ラ・ミュージック・デュ・タン”レ・キャビノティエ ― シンギング・バード」

　2020年の新作として、ヴァシュロン・コンスタンタンよりレ・キャビノティエの4つのユニークピース、「“ラ・ミュージック・デュ・タン”レ・キャビノティエ ― シンギング・バード」が登場します。

　 シンギング・バードは、“ラ・ミュージック・デュ・タン”と命名された「レ・キャビノティエ」のシリーズを象徴的に称えたユニークピース コレクションを象徴的に称えたモデルです。メティエ・ダールが独特の役を演じ、各ダイヤルはシャンルヴェ・エナメルを用いて仕上げられています。鳥たちを生き生きと描くために、マスター職人は実際に、各ダイヤルに十種類もの色を幅広く用い、これらが微妙な階調を成すようにしました。エナメルのマスター職人がその技を披露する広いスペースを設けるためにオフセンターの時刻表示を採用したため、4つのモデルに選ばれたムーブメントは、超薄型のキャリバー1120ATです。4つのモデルにはそれぞれハチドリ、アオカケス、アオガラ、コマドリが描かれ、ダイヤル右側には繊細なギヨシェ彫りの模様が施されています。アプライドの60分目盛りを配して120度に展開するこの右側部分は、4つの時間数字を配した3枚のディスクが3本のアームに乗り、これらが代わる代わる60分目盛りに沿って移動して時刻を示すサテライト方式で時刻を表示するエリアに充てられています。

　 超薄型ムーブメントのキャリバー1120 AT がエナメルのマスター職人の才能を自由に発揮させる機会を与えました。この時計は、時刻表示をダイヤルの右側にオフセンターで配し、シャンルヴェ・エナメルの芸術的技法を表現する余地を残しました。ハチドリ、アオカケス、アオガラ、コマドリをそれぞれ描いたこれら 4 種類のユニークピースは、メティエ・ダールの模範例を示し、ヴァシュロン・コンスタンタンのレ・キャビノティエ部門によって考え出された“ラ・ミュージック・デュ・タン” のテーマに新鮮なトーンを加えています。

　 ヴァシュロン・コンスタンタンの時計に対するアプローチは、メティエ・ダールの熟練職人の才能やオ ートオルロジュリー（高級時計製造）の基本原理に合致した手作業の仕上げによって技術的な洗練が一段と高まった時に、究極の表現を発見しました。レ・キャビノティエの 4 つのユニークピースに完璧に描かれているのは、いずれも鳴き鳥です。これらシャンルヴェ・エナメルの傑作は、ダイヤルに描かれた魅惑の牧歌的な情景が、レ・キャビノティエ部門によって考え出され、ここではそれを鳥たちが歌う想像上の歌で称える“ラ・ミュージック・デュ・タン”のテーマを詩的表現によって伝えています。

　2段に分かれたダイヤルが特徴的なこれらのモデルには、ボリューム感や工芸技法への完璧な習熟が不可欠です。ダイヤルの一方はエナメルで、時と分を表示するモジュールを中に秘め、他方のギヨシェ彫りのエリアは時刻表示に充てられています。このモデルに本来のエレガントな個性を付与するために、これら2つの要素のきめ細かな調整に多大な正確さが求められます。

　極めて写実的なこれらのダイヤルを創り出すために、ヴァシュロン・コンスタンタンにおけるエナメルのマスター職人は、シャンルヴェ・エナメルの技法を用いました。この技法はまず、エナメルの釉薬を絵筆で繊細に施すための受け皿として、ダイヤル素材に浅い窪みを彫り入れます。ビノキュラーを用いて行うこの作業は、さまざまな色をふんだんに用いることから、いっそう複雑になります。鳥たちを生き生きと描くために、マスター職人は実際に、各ダイヤルに十種類もの色を幅広く用い、これらが微妙な階調を成すようにしました。そこには徹底的な研究成果や、それを実施するための極めて巧妙な技が見て取れます。鉱物素材の釉薬を熱で溶かしてエナメルのまたとない透明な輝きを実現するには、焼成にも熟達していることが不可欠です。職人の専門的な手作業で鳥のモチーフが形を成す過程で、ダイヤルを何度も窯に入れて焼成を繰り返し、しだいに所定の場所に色を定着させてゆきますが、その各過程ですでに行った焼成作業を損なうリスクがあります。

　時と分を表示するダイヤルの右側は、繊細なギヨシェ彫りを手作業で施してから彩色し、編み籠模様のパニエ・モチーフを浮かび上がらせています。

自然の驚異

　 ヴァシュロン・コンスタンタンが選んだのは、いずれも何かを強く象徴する鳥たちです。世界最小の鳥で 1 秒に 200 回も羽ばたくハチドリは、グリーンに彩られ、花の蜜を吸う姿が描かれています。森の監視員たるアオカケスは、叫び声や羽をばたつかせて仲間の鳥たちに捕食者の出現を警告しています。茶色の背景から浮かび上がるアオガラは、絵筆のタッチで目がきらきらと強調され、その場所を占めようとする者たちに対して自己の存在を告げています。バーガンディーに彩られたダイヤルに描かれているのは、コマドリです。エレガントな直径40mm のピンクゴールド、もしくはホワイトゴールド（コマドリ）のケースに縁取られたこれらのダイヤルは、まさに夢の世界に誘い、自然の驚異に思いを馳せる機会を与えます。各モデルは、ダイヤルのカラーに合わせたアリゲーターレザーストラップが装着されています。

サテライト方式の時刻表示が備わるムーブメント

　 ヴァシュロン・コンスタンタンは、これらの時計の純粋なデザインを考慮して、自動巻きマニュファクチュールムーブメント、キャリバー1120 AT を選びました。薄型なのと同時に信頼性に優れるムーブメントだからです。1960 年代に開発されたこのムーブメントは、2.45mm という薄さのみならず、工学技術の手本と考えられるその構造にも特色あり、専門家やコレクターからたちまち注目を浴びました。

　この超薄型ムーブメントは、各種の機能を追加したバリエーションを展開しながら何十年にも渡りさまざまな形で利用されてきました。今回の キャリバー1120 AT もその一つです。サテライト方式で時刻を示すモジュールを搭載し、ギヨシェ彫りの装飾を施した自動巻きローターをムーブメントの裏面に配しながらも、キャリバー1120 AT はわずか 5.45mm と薄く、厚さ12.37mm のケースに収まっています。このムーブメントの最も特徴的な点は、時刻の表示スタイルにあります。時刻は、60分の目盛りを付して 120度に展開するセクターで表示されます。サテライト方式では、4つの時間数字を配した 3枚のデ ィスクが 3本のアームに乗り、これらが代わる代わる 60分目盛りに沿って移動して時刻を示す仕組みになっています。