PARMIGIANI FLEURIER | パルミジャーニ・フルリエ 2023新作 プラチナ製カルチュラルカレンダー時計のトリロジー。パルミジャーニ・フルリエ「トンダ PF アニュアルカレンダー」「トンダ PF ヒジュラ パーペチュアルカレンダー」「トンダ PF シィアリーカレンダー」が三種類のボックスセットとなってWatches and Wonders Geneva 2023にて発表

　2023年の新作としてパルミジャーニ・フルリエより、「トンダ PF アニュアルカレンダー」「トンダ PF ヒジュラ パーペチュアルカレンダー」「トンダ PF シィアリーカレンダー」のプラチナ製カルチュアルカレンダーの特別な三部作が三種類のボックスセットとなり、Watches and Wonders Geneva 2023にて発表されました。

　パルミジャーニ・フルリエは、グレゴリオ暦、ヒジュラ暦、中国暦を表示する三つの時計を発表いたします。他に類を見ない、プラチナ製カレンダーの特別な三部作は、文化、文明、歴史、そしてメゾン独自が考える高級時計製造の交差点を体現します。この度、三部作が三種類のボックスセットになり誕生しました。

　人間は歴史を通して、時間をコントロールし、その流れを予測し、図式化することで、社会、宗教、農業生活のリズムをより整えようと努めてきました。世界共通のカレンダーによって、人は時間の流れの中でマイルストーンのように刻まれた日付を確認することができます。すべての文明において、太陽や月、あるいはその両方が辿る道筋に基づき、それぞれの感性と知覚に従って暦がつくらてれきました。すべての人にとって時間は同じものでありながら、その読み方や測り方は人間社会によってさまざまです。

　時計に搭載されるカレンダー機能は、もっとも魅力的なもののひとつです。暦は、文明や社会、信仰の対象、そして影の動きや季節の移り変わり、月の満ち欠けの神秘など、定義しがたい現象を映し出し、人間の活動にとって重要な役割を担っています。ブランドとその創設者であるミシェル・パルミジャーニは、つねに時間という文化現象に魅了されてきました。彼はこう語ります。「カレンダーは文明を映す鏡であり、時計をつくる上でもとても魅力的なコンプリケーションなのです。」

　パルミジャーニ・フルリエのカレンダー時計は、ユネスコの人類無形文化遺産に登録されているスイスの時計文化（機械式時計製造と芸術機械工学の職人技を含む）を裏付けるものとして、社会や文明における芸術機械工学の役割を探求しています。

トンダPFグレゴリアンカレンダー

「トンダPFアニュアルカレンダー」は、ミシェル・パルミジャーニが抱く、日付に対する情熱を物語るもので、マニュファクチュールが特別に開発したキャリバーPF339に、レトログラード式アニュアルカレンダーと高精度ムーンフェイズを搭載しています。ふたつの複雑機構が組み合わされた「トンダアニュアルカレンダー」は、太陽の周りを回る地球の回転と月との関係を再現する、天文学に特化したタイムピースです。

　レトログラード式アニュアルカレンダーの魅力は、時計の調整が年に一度で済むという点です。日付表示は各月の日数（３０日または３１日）に基づいて自動的に調整されますが、平年か閏年かに関係なく毎年２月は２９日としてカウントされます。つまり、年に一度、あるいは四年に三度、２月の終わりに手動で日付を設定すれば、その日から３６５日間、日付は正確に刻まれ続けます。レトログラード式日付表示は、６時位置にあるムーンフェイズを覆い隠すことなく、ポエティックな複雑機構を見ることができます。曜日と日付はそれぞれ９時位置と３時位置にある小窓からはっきりと読み取ることができます。

「トンダ PF アニュアルカレンダー」のムーンフェイズは、日付表示をさらに充実させています。「高精度ムーンフェイズ」と呼ばれるのは、122年に一度しか修正を必要としないことに起因します｡この正確さは､月の伝統的な周期(29日と12時間)と、実際の周期(29日と12時間44分2.8秒)との間のずれを補正することで実現します｡「トンダ PF アニュアルカレンダー」は、地球上どこにいても対応できるように、北半球と南半球で異なる月の姿に応じてふたつの月相が表示されます。ローズゴールド製のカウンターとムーンディスクは、アベンチュリンの空に輝く銀河を背景にしてひときわ存在感を増します。

トンダ PF ヒジュラ パーペチュアルカレンダー

　 無限に存在する時計の複雑機構の中でも、カレンダー機能はあらゆる文化に根ざし、文明を映し出す、まさに普遍的な機構です。パルミジャーニ・フルリエは、「トンダPFヒジュラパーペチュアルカレンダー」としてイスラム暦モデルを発表いたします。

　ヒジュラパーペチュアルカレンダーの腕時計の原点は、マニュファクチュールのアトリエでヒジュラ暦のカレンダーを備えた懐中時計を修復したことをきっかけに、２０１１年に置き時計を製作したことにあります。そこから生まれたノウハウは、腕時計型のヒジュラ暦の開発につながり、その小型化が称賛され２０２０年のジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ（ＧＰＨＧ）でイノベーション賞を受賞しました。

　イスラムの世界では、暦は月の周期に基づいています。ヒジュラ暦（イスラム太陰暦）は、月の満ち欠けに応じて２９日か３０日の１２ヶ月で構成され、イスラムの祝日を特定するために使用されます。６２２年に預言者ムハンマドがメッカからメディナ（現在のサウジアラビア）に脱出したことを「ヒジュラ（移住の意）」と呼び、イスラムの時間計算の起点となりました。これはまた、最初のイスラム社会が築かれた瞬間でもあります。

「トンダPFヒジュラパーペチュアルカレンダー」は、メゾンの新しい美意識を反映した進化を遂げています。ケースとローレット加工のベゼルはプラチナ９５０製、シームレスに一体化したプラチナブレスレット、サンドブラスト仕上げのプラチナ製ダイヤルにはゴールドのインデックス、ロゴ、針が配されています。搭載しているムーブメントは、パルミジャーニ・フルリエが設計・開発したもので、２０２０年にＧＰＨＧで受賞したモデルと同一です。コンプリートカレンダーの情報は、時と分と日にちはアラビア数字で、月の名前と長さ、そしてひと月の日にちと年はアラビア文字で表示されます。３時位置のカウンターには、９番目の月が緑色で表示されています。また、北半球と南半球のダブルムーンフェイズも表示されます。

トンダ PF シィアリーカレンダー

　 中国の暦は、太陽暦と太陰暦を別々に計算し、それを同期させるという複雑なものです。これは、太陰月またはうるう月を追加することで実現されています。約三年ごとに導入される１３ヶ月目の月によって、ふたつの周期が一致するようになります。また、中国の暦では太陽年を二十四節気に分割し、これが農暦を象徴します。

　 閏月は正確な規則に従って決められ、その直前にある月の名前を冠します。この計算は複雑ですが、季節に沿ったものであり、旧正月を春の到来に合わせることができます。より一般的な新暦で言うと、一月末から二月末の間（１月２１日から２月１９日）にあたります。

　パルミジャーニ・フルリエは、複雑な情報をすべてダイヤルに集約することに成功しました。ダイヤルに表示されている情報は、時、分、月の表示とその番号、三年ごとの追加月、短い月（２９日）または長い月（３０日）、黄道に沿った太陽の進路（地球から見た太陽の道）を視位置によって１５度ずつ２４分割した二十四節気、ポインターと年号、陰陽の色分けによる十二支の動物や五行説の元素の表示、そして日数とムーンフェイズなど多岐にわたります。すべての情報はひと目でわかり、ミドルケースの両脇にある様々な補正装置によって素早く調整することができます。 この時計は、非常に高度なメカニズムにより、これらの情報を繁体字で表示します。中国の暦は周期的なものではないため、情報は機械的にプログラムされ、カムシステムによって１２年の期間をカバーします。１２年の期間を過ぎると、時計はリセットされ、新たな１２年間が始まります。この期間中は時計が止まらない限り、調整も必要なく、すべての情報は正確なまま保たれます。もし時計が止まってしまっても、長期間分の調整を容易にする補正装置によって、曜日と月の数字を変えるだけで元に戻すことができます。