BELL & ROSS | ベル＆ロス 2020新作 スカル・ファミリーの最新作が、現代的な突き抜けたデザインで登場。ベル&ロス「BR 01 サイバー スカル」

タイムレスなシンボル
　全ては2009年から始まりました。Bell & Rossは規範を打ち破るのを好み、絶え間なく新しい世界を開拓します。その年に発表されたBR 01 スカルは伝統的な時計製造を揺るがすことを渇望し、大きな衝撃を与えました。

　海賊が登場した17世紀と18世紀を含む時代から第二次世界大戦のパラシュート部隊まで、スカルは常に戦のシンボルとして君臨しました。歴史的にも、彼らはそれを身に着けることで敵を恐れさせ、悪運から身を守る勇気を示すお守りとして考えました。

　海賊はボートのマスト頂上に海賊旗Jolly Rogerを掲げ、交差した骨と骸骨がくっきりと描かれた旗で乗組員を奮い立たせました。1944年6月6日の夜明け、ノルマンディ上陸の際、アメリカ陸軍の82空挺師団と101空挺師団部隊のパラシュート隊員たちが骸骨とDeath from Above（上空からの死）と書かれたバッチをジャンプスーツにまとい、夜間に現れました。Bell & Rossのスカルモデルはこれらの経験と軍人の驚異的な勇敢さに敬意を払います。

高級時計、アート、デザインとの合流
　戦を物語りつつも、スカルは死の意味もあり、人生の危うさと儚さを表すという哲学的な意味もあります。Memento mori（死を忘るなかれ）は古典絵画に見られる陰湿な描写、または啓蒙思想からのヒューマニズムが所有する驚異の部屋を連想させます。

　メキシコでは伝統的な行事として11月に死者の日をお祝いし、有名なCalaverasというカラフルに装飾された骸骨を用います。BR 01 CYBER SKULLも顎を動かしいたずらっぽい笑みを浮かべ、同様の精神を表現しています。多面的なレリーフでタイムレスな感覚と、非常に現代的なスタイルを古典的なシンボルで表現しています。

　この度、Bell & RossはBR 01 CYBER SKULLを発表し、スカル時計にまつわるアートを再定義します。この時計のデザインは従来のスカルに用いられた古典的なものとは異なり、現代的なモダンさで解釈しています。20世紀に生まれたスタイルを未来へと結ぶのです。

　様々な顔をもつ時計として、時計製造、デザイン、象徴、そして大胆な創造性が出会います。

新しいCYBER SKULL
　一般的な考えでいえば、これまでのBell & Rossのスカル時計はどちらかというと伝統的なデザインです。新作の BR 01 CYBER SKULLはどこか突き抜けていて、まるで新しい章に突入したかのようです。アヴァンギャルドなデザインがこのアイコニックなファミリーを未来へと送り出すだけでなく、全く新しいウルトラモダンとも呼ぶべきモデルを発表し、CYBER SKULLで未来への扉を開くのです。

ステルス機のようなフォルム
　カットされた面とシャープなエッジにより、BR 01 CYBER SKULLの鋭角的なシルエットは敵から見えないように設計された戦闘機を思い起こさせます。成形されたケースは、まるでF117のステルス戦闘機を連想させます。レーダーに映らず姿を消すために、ステルス機の機体は面を多用して周波を跳ね返すように造られています。このステルス機の技術は最も洗練された軍の船にも採用されています。

　Bell & RossはCYBER SKULLのケースにマット ブラック セラミックを採用。反射を抑えた色合いは軍用車にも用いられます。上部のガラスはジェット機を覆う天蓋を思わせ、新しいマット ブラックは時計のデザインに合うようセラミックから深みを引き出しました。戦闘機のように設計されたケースのラインは、レーダーをくぐり抜け、新たな言語を生み出すのです。

　曲線や丸みを好む従来の時計製造とは対照的に、BR 01 CYBER SKULLの構造は伝統的なデザインから逸脱し、ミリタリーとアヴィエーションの原点を敬いながら、存分に想像関を発揮します。

　時計の各パーツ、ミドルケース、ベゼル、リューズ、スカル、交差した骨は平面を形作り、3Dイメージとボリュームを描く多様な形に集約されます。

芸術作品のようにデザイン
　見る人によって解釈が異なるアート作品のように、新しいBR 01 CYBER SKULLも身に着ける人の経験を通して自ずと語りだします。

　高度なピクセルで構成されたイメージのように、SKULLも同じ現実を様々な面から見せます。シャープなエッジが強調するように、フラットでスムースな表面の間で、視点が増幅するような魅惑の遊びを多数の平面がもたらします。フューチャリスティックな折り紙？ それともメメント・モリ2.0？ サイボーグによる新しいカメオ？ BR 01 CYBER SKULLは多様なアプローチを創出します。

　ファッションにおけるヴィンテージスタイルがひと段落している今、この未来的で先鋭的なスタイルは時代に合っています。それでいて、折ることを極めた日本の折り紙にも類似点を見出せるでしょう。

　CYBER SKULLのジオメトリックな形状はピクセル効果を生み出します。この現象はイメージの要点がクリアになったとき現れ、角度をつけたスカルと脛骨の描写はそこからイメージされました。

　面が描く線はデジタルアートへの賛同を意味することは間違いありません。デジタルイメージの静止画はピクセルによって造られています。

　極めてモダンなラインは現代美術、特にアヴァンギャルドなトレンドと同調します。多数の芸術家は現実を平面化した描写と関連づけて作品を創ります。彼らの作品は私たちのスピード、音、そして光との関係性を問いただします。

　BR 01 CYBER SKULLの鋭いエッジが描く美しいラインは、光とも見事に戯れます。サファイアクリスタルのガラスとセラミック製のスカルが光を反射します。

　現代における革新的な作品として、BR 01 CYBER SKULLは人々の視線を集めることで私たちに問いかけます。2つのサファイアクリスタルにはさまれ、ネジ止めされたスカルと交差したボーンと動く顎はまるで空中に浮遊しているかのよう。ケース中央を伸ばすことでラグもあえて設けていません。

　ケースのせり出すボリュームに吸い込まれるように取り付けられたラバーストラップには、まるで現代の神話を歓待するようにBRの刻印が押されています。光を認めながら吸収するような究極の逆説を表現する黒を全面に押し出し、BR 01 CYBER SKULLはあらゆる可能性を肯定します。コレクターまたは新参者、ジェダイの騎士またはシス卿、全ての人が自らの冒険を見出せるのです。

高級時計として製作
　扇動的かつシンボリック、そして芸術的な一面ももちながら、BR 01 CYBER SKULLは高級時計の世界に宿るオートマタの秘密を宿しているのです。

　機械式時計を完璧にマスターした技術者だけがBR-CAL.206の手巻きムーブメントを多面づかいのケースに収めることができます。メインプレートはスカルの形に仕上げ、ブリッジはケースの4隅まで伸び脛骨に隠れるように配置。これにより、スカルはまるでケース内で浮いているように見えます。両面から見てスケルトンな文字盤の印象は、12本のインデックスによって、より強調されます。時計を裏返してみたときのみ、秘密ともいうべき機構がご覧いただけます。

　時間と分の表示に加え、リューズを巻き上げるときに顎が動きます。スカルの頭に位置するテンプは振動を伝え、その鼓動がこの時計が機械式である所以を証明します。

　Bell & RossはBR 01 CYBER SKULLのケースにブラック マット セラミックを採用。ハイテク素材として知られ、軽量でありながら傷もつきにくいのが特徴です。高温への耐性も高く、密度と強度が高いこの黒はセラミックならではの色合いです。ダイヤモンドパウダーによって研磨されたということは再度その処理が可能ということ。すなわちジュエラーが貴石を削るのと同じことを意味します。

　このモデルに相応しい洗練された外観を保つため、ラグはあえて見えないように設計し、時計のボリュームを上手く扱い、45mm×46.5mmのサイズ感を魅力的に見せています。

デザイナーのオブジェとして創作
　ブランドは創業以来、道を固め、一歩一歩前進してきました。2019年はBR 05のローンチで大きな変化がありました。エレガントでスポーティシックな新しいコレクションにより、BR 01 CYBER SKULLの未来的かつ常識にとらわれないモデルも発表することができました。

　原点である航空と強いつながりを保ち、ファセット型のデザインやマットカラーなどはステルス戦闘機と類似点を見出すことができます。

　BR 01 CYBER SKULLの形状は多数の平面からできています。洗練されたラインはこの未来的な時計がもつ多面的なキャラクターを反映しています。

　他にはないモデルは多様な視点で語ります。スカルやミリタリーであると同時に、現代性に富み、アヴァンギャルドまたはアート的ともいえる時計です。

　BR 01 CYBER SKULLはマルチファセット加工で造られた真に多面的な魅力をはなちます。

　Bell & Rossの新しいスカル・ファミリーのニューモデルは、デザインの世界と強く結びついています。CYBER SKULLの面を多用した形は、通常スカルの時計が属するネオ・ヴィンテージともいえる伝統を打ち破ります。ジオメトリックな線は同じ未来を志向する車やアートにも見られるものです。

未来の建築物を夢みて
　CYBER SKULLは、スタイリッシュでエッジ―な仕上げを施し、高い完成度を誇ります。人間の身体もしかり、スカルにも本来角度はありません。あるのは曲線のみです。しかし、Bell & Rossのスカルはジオメトリックで角のある形状へと変化させました。ブランドのデザイナーは現実を反映させるより、衝撃を求めたのです。

　ケースは原点のBR 01から着想しつつも、輪郭はシャープなエッジをまとい、非常に現代的な様相を呈しています。CYBER SKULLは光と透明さにおいても遊び心を発揮し、それは今の建築にも通じています。前衛的な建築は空と戯れ、まるで融合しているような見せ方をします。

　アヴァンギャルドで彫刻的なBell & RossのBR 01 CYBER SKULLはスカル時計を新たに見直し、時計愛好家の琴線に触れるように、アートや美しいものを求める人の心も動かすことでしょう。

　非常にモダンな時計はブランドを未来へと誘い、新しい境界線を見せてくれます。